Q 実家の母から、先日「お墓が遠くにあって、管理も大変だから、墓じまいすることにした」と連絡がありました。その時は別に何とも思わず、「そうなんだ」くらいにしか思っていなかったのですが、その後なんとなく、「それで本当にいいのかな」と疑問が湧いてきて、心がもやもやとしています。私自身、普段はお墓参りにもほとんど行かないのですが、お墓がなくなってしまうことに対してどこか抵抗感もあります。管理が大変なのは分かりますが、残した方が良いのではと思ってしまいます。(28歳、女性)
A 大切なのは、ご先祖様に感謝の思いを伝えることです
形にとらわれることなく、ご先祖様に心を向ける
お墓参りは、私たち子孫にとって心が安らぎ、安心感をもたらしてくれる大切な行いだと思います。ですから、そのお墓が無くなることに寂しさを感じるのは自然なことです。
まだお若いのに、お墓のことを思いやるあなたの気持ちは、とても素晴らしいものです。お墓が無くなることに抵抗を感じるのも、ご先祖への深い愛があればこそだと思います。でもその一方で、お墓が遠方にあると、なかなかお参りに行けない現実もあります。
お母さんはおそらく、これから生きていくあなた方に負担をかけたくないという思いから、墓じまいを決められたのだと思います。そして、お墓の代わりに、お寺の納骨堂(のうこつどう)などを用意されているのではないでしょうか。
ご先祖様も、お墓そのものに強い執着はお持ちでないと思います。どのような形であれ、子孫が心を込めてお参りしてくれることを、きっと喜んでくださるはずです。あなたがどこにいても、合掌してご先祖様を思い、感謝の気持ちを伝えるとき、たくさんのご先祖様があなたのもとに集まって下さいます。
ご先祖様はいつも見守って下さっている
私の実家も墓じまいをして、お寺の納骨堂にご先祖様をお納めしました。お寺では毎朝、毎夕にお祈りなどのお勤めをして頂いていて、私たちも自由にお参りできるので、ご先祖様も寂しくないと思います。
私は熊本で生まれ、その後上村家に嫁ぎましたが、離婚を経験しました。子供たちは私が引き取って育てると決めていたため、子供たちが名字に迷わないように旧姓には戻さず、「上村」の姓を名乗っています、つまり、私から始まった「上村」なのです。そうした事情もあり、今後、お墓の祀(まつ)り方などで子供たちが心配しないよう、私自身もお寺や納骨堂を探しています。
私の好きな言葉に、かつて生長の家の講師から聞いた、「神さま、ご先祖様は“見てござる”」というものがあります。ニコニコと心穏やかに暮らす子孫を、ご先祖様は優しく見守って下さっているのです。
あなたのご先祖様を思う心は、きっとご先祖様に届いています。その気持ちこそが大切ですので、ご自宅でできる範囲で先祖供養をされることをお勧めいたします。ご先祖様への感謝とともに、あなたが心安らかに、明るく楽しい日々を送られることを心よりお祈りいたしております。
回答者
上村 アリ子 (うえむら・ありこ)
生長の家本部講師補
生長の家総本山に勤め、神癒祈願課にて、寄せられた祈願をお祈りしている。私の大好きな言葉は、「希望に起きて、歓喜で働き、感謝で眠る」。
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