Q 先日、定期テストがあったのですが、思ったよりも点数が取れず落ち込んでいます。
塾にも通わせてもらっていて、自分なりに毎日勉強に取り組んでいるのですが、なかなか成績が上がりません。テストの結果で落ち込む度に、「そもそも、なぜ勉強しなくちゃいけないんだろう」と思ったりします。「自分の将来のためだよ」と親からは言われますが、なんとなく納得できないでいます。勉強をする意味について教えて下さい。(15歳、男性)
A 自分が成長できたことに目を向け、将来の進路について考えてみましょう。
若い時は「勉強をする意味」について悩むものですが、それ以上に、あまり悩んだり深く考えたりすることなく、通り過ぎてしまうことが多いものです。私は後者の方でした。
ですが、与えられた職業が教師なものですから、これまで多くの生徒からこの種の質問を受け続け、答え続けてきました。同じような答えをしてきたこともあれば、相手によっては全く違う答えを出したこともあります。
自分の成長のために勉強がある
さて今回、あなたの質問に接し、私が用意した答えは一つです。それは「人は自分の成長のために勉強する」です。ここで大切なのは、自分がどれだけ伸びたかということです。昨日、1カ月前、1年前と比較してどれだけ伸びたかです。教師である私が言ってもいいのかと思われるかもしれませんが、テストの成績なんて、きわめて短い期間の、人と比べた結果でしかありません。
あなたの質問にあるように、「定期テストで思ったよりも点数が取れず落ち込む」ことは、自身の向上のために必要な場合もあります。しかし、その事ばかりに注意が向くと、どうしても気持ちが暗くなってしまいます。
どうか目先の結果に動揺することなく、常に、ここがこれだけ伸びた、ここも伸びていると、物事の明るい面を見ながら、成長し続けてください。それが生長の家の「日時計主義」の生き方です。
そのためにはぜひ、あなたが小さい時からこれまで勉強してきた中で、「わかった!」「できた!」「解けた!」と思ったいくつかの場面をよく思い出してください。その感動の記憶が、これからのあなたの成長を助けます。
生きることの目的
ところで、人間は何に向かって成長していくのでしょうか。人はそれぞれ、その人でなければならない使命をもって生まれて来ています。そして「多くの人のお役に立ちたい」という願いをもっているのが人間の本性です。
あなたはどのような分野で、この世の中で、その使命を果たしていきたいと考えますか。学校での言葉を使うと、「君の目指す進路は何か」ということです。あせる必要はありませんが、この目的がはっきりすると、勉強への意欲がさらに高まっていきます。日頃のトレーニングに打ち込みながら、登る山も決めていく。すると、さらにトレーニングにも力が入る。あなたの将来には楽しいことばかりが待っています。
本誌につどう人は皆、あなたの仲間です。共に力強く前に進んでください。
回答者
永谷雅仁(ながや・まさひと)
生長の家地方講師
1959年兵庫県生まれ。東京都立中高一貫校教諭。生長の家教職員会副会長。定年退職後も再任用フルタイムで教職40年目。専門は日本史。
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