試験のプレッシャー、成績や進路への不安、友人関係のトラブル、外見や内面のコンプレックスなど、私たちの身の回りには多くの悩みがあります。このような悩みを手放し、明るく前向きな心で生きるために、今すぐできることを3つ紹介します。

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心の状態を知る

 
 生長の家では、私たちが生きているこの世界のことを「現象世界」と呼び、それは移り変わっていく不完全なものだと説いています。なぜなら、この現象世界は、私たちの心の状態を反映しているからです。

 たとえば、雨が降り始めたとき、屋外でのイベントを予定していた人にとっては残念なことだと感じられますが、家庭菜園をしている人なら、「水やりをしなくてよい」と、それを前向きに捉えるかもしれません。つまり、「雨が降る」という同じ出来事でも、心の状態によって受け取り方が異なってくるのです。ということは、その人の心によって、その反映である現象世界も変わってしまうということです。

 もし悩みを抱えているなら、まず、その悩みをノートなどに書き出してみましょう。目の前の現象に捉われず、自分の心の状態を客観的に眺めるようにするのです。そのように悩み事と自分を同一化せず、自分と切り離すことは、悩みを手放すきっかけになります。

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『日時計日記』を活用する

 
 そして、悩み事と自分とを切り離すことができたら、今度はその悩み事に対して積極的に働きかけていきます。

 まずその悩み事が、自分でコントロールできるものかどうかを見極めましょう。もし何か行動に移すことで、それが解決できそうなら、自分でコントロールできる悩みといえます。

 逆に、過去の出来事に対する悩みなど、これからの行動で解決できる余地がなさそうなら、それは自分ではコントロールできない悩みかもしれません。その場合は、問題をどう受け止めるかが鍵になります。

 生長の家では、日時計が太陽の輝く時刻のみを記すように、楽しかったことや嬉しかったことなど、人生の明るい面に注目する「日時計主義」の生き方を勧めています。

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 もし悩み事がコントロールできない場合には、人や物事の明るい面に心を向けていくことが大切になります。なぜなら、この現象世界は、私たちの心の状態を反映するので、自分の心を明るい方へと向けることができれば、自ずと悩み事に振り回されなくなるからです。

 そのためのツールとして、『日時計日記』*1を書くことをお勧めします。悩み事のなかにも、明るい面があるはずです。『日時計日記』に喜びや感謝の言葉などを毎日書き続けることで、心の状態が変わり、目の前に広がる世界もきっと変わっていくことでしょう。
* 太陽の輝く時刻を記録する日時計と同じように、毎日の明るい出来事や希望や感謝の言葉を書き留める日記帳。生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊

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他に与える生き方をする

 
 人間は一人で生きているのではなく、家族や友人、さらには動物や植物など、自然界を含めたすべての生命と調和して生きているのが本来の姿であると生長の家では説いています。そして、そのような生き方を実践するとき私たちは成長を実感したり、幸福を感じたりします。

 悩みを抱えている時にこそ他者に目を向けて、明るく前向きな心で、他者のためにできることを考え、行動に移してみましょう。

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金沢健二
生長の家本部講師補

生長の家国際本部勤務。一男一女の父。マイブームはカメラを持って子どもと散歩すること。大切な人との日常を記録に残すことに喜びを感じている。