今回の特集手記では、トライアスロンを通して、N.T.さんが心身共に元気になっていった過程が紹介されていました。私も生長の家国際本部“森の中のオフィス”に勤務するなかで、休日にはジョギングをしたり、昼休みの時間を利用して、オフィス内にあるジム室で筋トレをしたりするほか、年2回ほど市民マラソン大会に参加するなどして、健康な肉体を維持することを心がけています。

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肉体は神性表現の「道具」である

 
 肉体の健康は、なぜ大切なのでしょうか? 生長の家では、「肉体」は神性表現の「道具」であると教えられています。そのことについて、谷口雅宣・生長の家総裁は、『日々の祈り──神・自然・人間の大調和を祈る』(生長の家刊)のなかで、次のように説かれています。

 神さま、(中略)私の肉体は、この素晴らしい地上生活のためにあなたが与えてくださった貴重な贈物だからです。(中略)私の肉体は、あなたの知恵と愛と命の一部を表現した貴い地上生活の道具です。(104ページ)

 神さまがお創りになった世界は、無限の知恵、愛、生命に満ちた大調和の世界で、私たち人間は、自分の肉体を使って、その目に見えないすばらしい世界をこの世で表現しています。だからこそ、その表現の道具である肉体に感謝し、大切にしなければならないのです。

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スポーツの力

 
 また、生長の家では、肉体は心の影、つまり心のあらわれであり、肉体も心に影響を与えると説いています。

 運動やスポーツは、体にはもちろん、心にも良い影響を及ぼすことが、多くの研究から明らかにされており、それによって、ストレスを解消させるためのセロトニンやエンドルフィンといったホルモンが分泌されることが分かっています。セロトニンは精神の安定や安心感などをもたらし、エンドルフィンには免疫力向上やリラックスなどの効果があると言われています。

 そうした例の一つとして、私の体験を紹介します。新しく生長の家中華民国教化総長代行を務めることになり、赴任前の今年(2024)6月末に、10日ほど中華民国に出張をしたのですが、慣れない業務に加え、現地の蒸し暑い気候にも適応し切れず、心身共に疲れを感じてしまったのです。

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 不眠や耳鳴りなどの症状があり、これではいけないと思い、朝と夜の比較的涼しい時間帯を利用して、滞在先近くの小学校のグラウンドや公園でジョギングを行いました。汗をいっぱい流して、爽快感を味わうと、不慣れな仕事に対する緊張感から解放されたような感じがしました。

 その後、耳鳴りの症状が改善され、ぐっすり眠れるようにもなり、無事出張を終えることができ、運動やスポーツが心身に良い影響を与えることを実感することができました。

 これからスポーツを始めようと思っている人には、焦らずに少しずつ実行することをお薦めします。神性表現の「道具」としての肉体に感謝して、楽しみながらスポーツに取り組んでいきましょう。

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天地 忠衛(あまち・まもる)
生長の家本部講師

中国遼寧省生まれ、2024年6月7日より中華民国教化総長代行。趣味は読書、映画鑑賞、ジョギング。