人間関係に悩んでいた大学生の彩花さんが、ある日、知り合いの生長の家の講師に、自分の悩みを相談したところ、『日時計24』を送ってもらった。それをきっかけに、二人の間でチャットがはじまった……。彩花さんの大学の友人で、生長の家の教えを学んでいる茜さんですが、何か疑問に思っていることがあるようです。
この前、生長の家の集いに参加したとき、生長の家では「縦の真理」と「横の真理」の2つの真理を説いていると教えてもらったんです。でも、いまいちよく分からなくて……。真理が2つあるって、どういうことなんですか?
「縦の真理」と「横の真理」は、生長の家の重要な教義の一つで、とても大切な考え方と言えるものなんだよ。「縦の真理」とは、人間が神様の大生命から生まれた永遠不滅の存在であるという「人間・神の子」の真理を示して、「横の真理」とは、この現象世界における「心の法則」を意味しているんだよ。
「心の法則」って、心の中の思いとか、心で強く描いたものが、良いことであれ、悪いことであれ、この世界に現れてくるという教えのことですよね。でも、なぜそれぞれの真理を「縦」と「横」と呼ぶんですか?
縦の矢印と横の矢印が交叉する図をイメージしてみると分かりやすいと思うよ。縦の矢印である「人間・神の子」の真理は、絶対に変わることのない不変の真理であって、善一元の神様とのつながりを示しているんだ。
これまで何度も説いてきたように、本来、人間は既に完全円満な素晴らしい存在であり、不幸や不調和などは存在しないということだね。一方で、縦の矢印と水平に交わり、横に広がっていく矢印は、様々に変化していくこの現象世界を表しているんだ。
茜さんの言う通り、この現象世界は、「心の法則」によって様々に展開していくから、「人間・神の子」の真理を自覚すればするほど、それが現象世界にも展開していくことになるんだよね。
ということは、縦の矢印と横の矢印が交叉するところに自分がいるということなんでしょうか?
そう言ってもいいね。もっと難しく表現すれば、縦の矢印と横の矢印が交叉する「永遠の今」にすべてがある、ということだね。つまり、永遠の今において、人間は既に完全円満な神の子であり、本当に在る世界は善一元ということなんだ。
善もあれば悪もあるように見えるこの現象世界は、心によって映し出した仮の姿であり、映画のスクリーンのようなものだね。本当に在るのは、神が創造された完全円満な実相世界だけであり、「人間・神の子」の自覚を深めることが大切なんだよ。
(次号に続く)