熊本県は“水の国”とも言われ、1,000カ所以上の湧水に恵まれた水資源の宝庫として知られています。
今回はそうした中から、熊本県名水百選の一つに選ばれている、熊本県阿蘇郡産山村にある山吹水源を紹介したいと思います。
山吹水源を訪れたのは、3年前の2019年の9月初旬、まだ残暑が厳しい季節でした。駐車場に車を停め、すぐ近くにある水汲み場を横目に、500メートルほど先にあると聞いていた水源を目指しました。
きれいに整備されたなだらかな遊歩道を歩いていくと、せせらぎが聞こえてきました。その心地よい響きに惹かれて思わず寄り道し、川に出て撮ったのが、1の写真です。
写真を撮りながら、清流と一面のみずみずしい緑に癒され、心が洗われるのを感じました。
歩くこと10分あまりで山吹水源に到着。この水源は、溜まった水が透明に澄んでいるため、毎分30トンと言われる水が、砂煙を上げてもこもこと底から湧き上がってくる様子を、はっきりと見ることができました。
輝いて見える水中の苔、透き通った水面に映り込む原生林の緑、苔むした岩や倒木が幻想的な雰囲気を醸し出しており、大自然の神秘、力に圧倒されました。(写真2)
新緑はもちろんですが、紅葉もきれいなところなので、秋が深まった頃に再訪したいと思っています。
(次回は、JR肥薩線が開業100周年を迎えた2009年に復活した、全国屈指の人気列車、「SL人吉」を紹介したいと思います。)