過去のことで心を悩ませていると、運命は好転しません。悩めば悩むほど過去への後悔は増大します。そんな時、「苦しみを忘れよう」「悩みから心を解き放そう」と焦ってもダメです。なぜなら、「悩み」を避けようとする心は、かえって「悩み」にとらわれてしまうからです。
こんな時、どうすればよいか? 「過去は無い」と否定し、過去から心を解放することです。過去に囚われず、今を全力で生きるのです。
生長の家創始者・谷口雅春師*1は次のように説かれています。
*1 生長の家創始者、昭和60年昇天。
「過去の失敗などを心の中に反芻(はんすう)することをやめよ。過ちや罪や後悔や愚かしさは、それはただ幻想の世界のみに存在するのであって、実在の世界には存在しないのである。“無い”ものを“有る”と思って後悔することに時間やエネルギーを使ってはならないのである。“今”──あなたの世界は『実相*2・無限の世界』につながる。“今”が無限にして久遠であり、“今”すでに一切が成就しているのである。“今”無限の力をもって起ち上がれ」
(『如意自在の生活365章』*353ページ)
*2 神によって創られたままの完全円満なすがた
*3 日本教文社刊
過去は砂浜の足跡
砂浜を歩くと、振り返ったときに自分の足跡が残っています。しかし、その足跡もやがて波に消され、跡形(あとかた)もなくなります。それと同じように、過去もいずれ消えてなくなるのです。消えてなくなるものは本物ではなく、ニセモノの姿にすぎません。
過去のつらい出来事や悲しみを心で掴んでいる間は、過去に縛られ、自由を失ってしまいます。人間は神の子であり、実相は完全円満で、過去に縛られるような存在ではありません。「私は神の子である」という自覚を深めながら、前を向いて人生を歩んでいきましょう。
(古田圭司(ふるた・けいじ)・生長の家本部講師)