生長の家総裁による本書は、講習会での講話と参加者との質疑応答からない、基本的な教義である「唯神実相」「唯心所現」「万教帰一」について、平易に説かれている。生長の家の入門書として最適な1冊。

 本書は講習会での谷口雅宣・生長の家総裁の講話が掲載されており、教えの基本が分かりやすく解説されています。後半には講習会の参加者から寄せられた質問に対する答えが収録され、質問は「なぜ神は完全だと言えるのか」や「離婚した場合の信仰生活」など様々ですが、それぞれの答えに納得します。

 私は70歳を超え、体の各器官が衰えたり、体が思うように動かなくなってきました。そんな昨年(2020)12月、教化部長()による研修会で、本書の「なぜ人は老いて死ぬのか」の章(P129〜132ページ)をテキストに、死ぬということは無になるのではなく、「肉体を替える」ということであることや、老いるとは人生が豊かになることであることを学び、年を重ねることに喜びを感じることができました。本書の132ページには、次のように書かれています。

「芸術表現においても『円熟』という言葉があるように、年を取ることで表現の幅が出てくるといわれていますね。そういう意味で、『老いる』とは、今使っている肉体を替えるまでの、『より静かな、創造と観照(かんしょう)の時期』だと考えていただくのはいかがでしょうか」

 生長の家の教えをより深く理解するためにも、本書の一読をお勧めします。

 生長の家の各教区の責任者

加藤厚子(生長の家地方講師)
生長の家室蘭教区地方講師会長。地産地消、ノーミートを意識し、夫の作った野菜を使って満足のいく食事を作るのが楽しみと語る。