「この本は、とくに若い父母のために、又そうなりたい人々のために、書いた」と、前生長の家総裁が「はしがき」に書く本書は、親として夫婦としてどのように生き、子どもとどのように向き合えばいいのかということについて明確に説く。

『父と母のために』 谷口清超著 日本教文社刊 1,300円+税

『父と母のために』
谷口清超著 日本教文社刊 1,300円+税

 幼稚園教諭である私は、幼児の遊びや生活全般についての知識も経験も、そして自信もあった。しかし、いざ3人の男の子の母親になると、長男は常に攻撃的、次男は臆病、三男はいたずら盛りで目が離せない。気づけば我が子の姿に常に白目を剥いている毎日。なぜだ、私は幼稚園の先生だぞ?!

 そのとき1冊の本を思い出した。お世話になっている白鳩会(*)の講師の先生から頂いたこの本だ。開いてみると、読み終えるまで手を止められなかった。そして反省した。我が子たちの前でも無意識に「先生」を演じ、「良い子」にするための手法を駆使していたことを。「どの子も分け隔てなく、みんな素晴らしいいのちである」「どの子も皆すでに完全な姿であるから、親の役割は、夫婦が調和し、ただひたすら我が子を信じることのみ」「愛は表現して初めて伝わる、素直に表現すべき」といった内容が繰り返し書かれていた。

 読み終えた私は、子どもたちへの接し方が自然に変わったのだと思う。反抗的だった長男は穏やかになり、次男と三男も伸び伸びして、三兄弟が毎日笑顔で仲良く遊ぶようになった。人は皆そのままで、すでに完全な尊いいのちである。何も心配いらない。親の気持ちひとつだ。しかし、子どもへの親の影響は多大であると、改めて実感した。

* 生長の家の女性の組織

siro124_booklife_2


倉山美希(くらやまみき)(生長の家光明実践委員)

千葉県在住。5歳、4歳、2歳の男の子の母親。現在、こども園保育教諭。屋外が好きで、晴れの日には子どもたちを外に連れ出している。