写真1

　今年の５月中旬、自宅から車で２時間あまり、「日本で最も美しい村」の一つとされる熊本県阿蘇郡高森町にある上色見熊野座神社（かみしきみくまのいますじんじゃ）を訪れました。

　この神社は、伊邪那岐命、伊邪那美命を御祭神とし、標高670メートルの月形山の山麓にあります。

　駐車場に車を停め、参道の入り口から260段以上もある石段をひたすら登り、神社の拝殿を目指しました。鬱蒼と生い繁る木々、苔むした石段や灯籠……見渡す限り深い緑に覆われ、ひんやりとした空気が辺りを包む光景の中を歩いて行くと、この神社が“異世界への入り口”という異名を持つ所以が肌で感じられました。

　10分程歩いて、ようやく一の鳥居が見えてきました（写真1）。参道を振り返ると、100基近くの灯籠がずらりと並んでいるのが見え、壮観でした（写真2）。

　拝殿の脇を抜け、上に続く急傾斜の小道をさらに10分程登ったところに、縦横10メートル以上ある穿戸岩（うげといわ）がありました（写真3）。

左：写真2／右：写真3

　これは、神武天皇の孫神、健磐龍命（たけいわたつのみこと）の従者、鬼八法師が蹴破って、巨大な岩山に大きな風穴を開けたものとされ、それに因んで、「合格・必勝」のご利益があると言われています。

　この神社は、映画『るろうに剣心（＊）』の撮影場所にもなったところで、こうした神聖な場所がこれからもずっと守り続けられるよう、祈らずにはいられませんでした。
（次回は、熊本県あさぎり町にある麓城址の紅葉を紹介します。）

＊＝日本の映画。監督は大友啓史、出演は佐藤健、武井咲他

坂崎和佳
さかざき わか／昭和51年生まれ。美容師歴27年。熊本県球磨郡錦町在住。「ヘアサロンDeaR」を営む傍ら、カメラライフを楽しんでいる。思うように撮れないことも多く、試行錯誤しながら日々奮闘中。生長の家白鳩会員。本誌No.114（2019年9月号）「美のステージ」に登場。