澤口三夫(さわぐち・みつお)さん│72歳│千葉県船橋市 「試行錯誤しながら作っていますが、イメージ通りに出来上がったときは、達成感があります」と澤口さん 取材/久門遥香(本誌) 写真/遠藤昭彦

澤口三夫(さわぐち・みつお)さん│72歳│千葉県船橋市
「試行錯誤しながら作っていますが、イメージ通りに出来上がったときは、達成感があります」と澤口さん
取材/久門遥香(本誌) 写真/遠藤昭彦

 澤口三夫さんは、竹を使ったクラフト作りに取り組み、スマホスタンドや写真立て、一輪挿し、額縁、風鈴、ランプシェードなど、実用性も兼ねた作品を数多く製作している。

「身の回りのものを竹で作ってみたら面白いんじゃないかと思い、いろいろ挑戦しています。考え付いたらすぐにやってみたくなる質なので、ワクワクしながら作っています」

 元々手先が器用で、椅子などの木工品を作ったりしていた澤口さんが、竹によるクラフトを始めたのは4年前のこと。生長の家の夏季青少年練成会(*1)のレクリエーションで、竹を用いた工作を指導することになったのがきっかけだった。

澤口さんが作った竹のクラフト作品が多く飾られているリビングで談笑する澤口さん夫妻

澤口さんが作った竹のクラフト作品が多く飾られているリビングで談笑する澤口さん夫妻

「子どもたちや運営スタッフと一緒に、竹でコップや箸を作ると、みんなが大喜びしてくれました。何より私自身が嬉しくなって、もの作りの楽しさに目覚めたんです」

 素材となる竹は、信徒仲間が所有する竹林から切り出したものを分けてもらっているという。

「どの竹も太さや厚み、色が違っていて、一つとして同じものがないというのが、自然素材の大きな魅力です。自然の恵みに感謝しながら、一本一本異なる竹の個性をどうやって作品に生かすかを考えていると、竹と対話している気持ちになって、心が癒されます」

 青森県の高校を卒業後、上京して電気工事施工管理の仕事をしていた澤口さんは、昭和50年に結婚し、3人の子どもに恵まれた。生長の家の教えに触れたのは、昭和60年。当時7歳だった長男が犬に咬まれて負傷し、心配のあまり落ち込んでいたときのことだった。

「子どもの頃から、何か良くないことが起こると、親から『罰が当たったんだ』と言われました。長男のことも、そうなのかと思って不安を覚え、友人に相談すると『いい話を聴けるところがあるから』と誌友会(*2)に行くよう勧められたんです」

 宗教の集まりと聞いて、恐る恐る参加した誌友会だったが、講師や参加者の温かく柔らかな雰囲気に緊張が解け、安心して講師の話を聴くことができた。

「『神は善一元であり、決して罰を与えたりしない。人間も完全円満な神の子である』と聞いて、救われた気持ちになりました」

 その後、誌友会に参加して生長の家の教えを学ぶようになり、1年後に相愛会(*3)に入会。さらに平成10年からは地方講師(*4)となって、人に教えを広める活動にも励むようになった。現在は、船橋生命学園(*5)の園長を務め、子どもたちにも分かりやすく教えを伝えている。

「新型コロナ感染拡大の影響で家にいる時間が多くなりましたが、これは、製作する時間が増えたと良い方に受け止め、一層クラフトに精を出していこうと思っています。竹と対話を重ねながら、竹と私、それぞれの個性を生かした作品を作っていきたいですね」

*1=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*2=生長の家の教えを学ぶ小集会
*3=生長の家の男性の組織
*4=生長の家の教えを居住地で伝えるボランティアの講師
*5=幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場