Q 父は僕が小さいころからしつけに厳しく、挨拶をしないとすごく怒られたり、学校の成績のことで長い時間注意をされたりします。自分の努力が足りないことは反省していますが、あまり怒られ過ぎると勉強のやる気も出なくなってしまいます。こちらの話は全然聞いてくれず、一方的に注意されるばかりで納得できませんし、そんな父に対して拒否感があります。どうしたら父に対して嫌な気持ちを持たずに接することができるでしょうか?(16歳、男性)

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A 厳しく接するのは、あなたを愛している証拠。まず、そのことを理解しましょう。

回答者 川上 忠志郎(かわかみ・ちゅうしろう) 生長の家本部講師 生長の家福島教区・栃木教区教化部長。趣味は木工クラフトでスプーンやバターナイフ、イスなどを作ること。最近は木彫りの白衣観音像を製作し、生光展へ出品した。

回答者
川上 忠志郎(かわかみ・ちゅうしろう)
生長の家本部講師
生長の家福島教区・栃木教区教化部長。趣味は木工クラフトでスプーンやバターナイフ、イスなどを作ること。最近は木彫りの白衣観音像を製作し、生光展へ出品した。

 あなたの質問を受けて、私も16歳の時期を振り返ってみました。私は親や教師、先輩の忠告を素直に聞かず反抗ばかりしていましたが、あなたは反抗心の中にも自分を反省できる素晴らしい人です。そんなあなたなら「ものの見方を変える」ことも実行できるでしょう。それが問題解決のポイントです。

厳しさは愛情の裏返し

 まず、お父様がなぜあなたに厳しくするのか再考してみましょう。

 挨拶ができ、礼儀正しい人は、他人に好印象を与え、信頼されることは想像できますね。また、交友関係が広がり人格も磨かれて、将来とても役に立つでしょう。それを厳しく指導するお父様は、その方面で苦労したのかもしれません。同じ苦労をあなたにさせたくなくて、つい感情的になるのではないでしょうか。

 ここで大切なことは、お父様が厳しく指導するのはあなたを愛しているからだと知ることです。あなたを愛しているのに、あなたが示す反抗的な表情や態度、拒否感にお父様の愛情が満足できないから、感情的で一方的な態度をとるのです。もしお父様に愛情がなければ、あなたに対して無関心で注意などしません。関心があるから注意するのであり、注意が一方的なのは愛情表現が上手くないだけで、根本ではあなたを愛しているのです。

「ものの見方を変える」には

 以上のことを、まず理屈として理解し納得することが重要です。それが「ものの見方を変える」第一歩です。腹立たしさや拒否感などの感情はまだ残っていたとしても、お父様の愛に理屈で納得できれば、感情面でも次第に納得できるようになります。

 なぜなら人間の心には、対極にあるものを同時同所に感じることが困難であるという特徴があるからで、これは社会心理学の分野で「認知の不協和の理論()」として知られています。

 理屈での“嫌な父”との理解と、感情での“嫌な父”との間には違和感がありません。しかし、理屈で“愛深い父”と理解すると、それと対極にある“嫌な父”は感情的に受け入れ難く、“愛深い父”を探し出して自分を納得させるようになるのです。

 あなたの「ものの見方を変える」には、生長の家が発行する『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)の活用が有効です。これは、その日に起きた良いことや嬉しかったこと、感動したこと、感謝したくなったことなどを付ける日記です。少しでも周囲の良いことに気がつくように訓練していけば、やがて沢山の良いことに気がつくようになれます。ぜひ活用してみてください。お父様の良いところにもどんどん気がつくようになりますよ。

「認知の不協和の理論」の詳細は、『心でつくる世界』(生長の家総裁・谷口雅宣著、生長の家刊)の112ページ以降をご参照ください

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