
谷口雅宣著
『凡庸の唄』
15〜16ページ、日本教文社刊
新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛により、家族が共に自宅で過ごす時間が多かった4月~5月、わが家の子どもたちが、昼食、夕食づくりに取り組むようになった。
子どもたちと「これはどうやって作ったらいいの?」「醤油はどれくらい入れるの?」といった会話を繰り返しているうち、だんだん子どもたちの心が開いていった。リゾット、炊き込みご飯、たぬきうどん、チャーハンなどレパートリーも増えた。ある日、共働きの私たち夫婦が20時頃に帰宅すると、子どもたちが私たちのために、風呂を沸かし、温かい夕食を準備してくれていて、大変感激した。
家にずっといると子どもは怠惰になるのではないかと思い込んでいた私は、自分がそんな思いを持ったことを反省し、ステイホームが、家族のありがたさを感じられる貴重な機会になったことに心より感謝の思いを持った。
生長の家では、人間はみな神の子であり、心の奥底では一つにつながっていて、自他一体の存在であると教えられている。だからこそ、誰しもが本来、周囲を慈しむ能力を持っているということを、子どもたちを通して改めて強く感じた体験であった。(小池聖明<こいけ・きよあき>生長の家本部講師。生長の家国際本部勤務)