A どちらも宗教の共存を認めて世界平和の実現を目指しています。
立憲主義における信仰の自由は、多様な宗教の共存を目的としています。そして、生長の家の「万教帰一(ばんきょうきいつ)」の教えは、この宗教の共存という考え方と一致しています。
「万教帰一」とは、「一つの真理から多様な宗教が発展したと考え、各宗教の文化的特性を尊重する考え方です(*1)」。つまり、救いの原理という「真理そのもの」は人類共通で一つだが、その原理を伝える「真理の表現」は、時代や地域等の違いに応じて数多くあると考えるのです。そのため、生長の家では他宗教に対して、自分たちの信仰だけが正しいと考える排他的な立場をとりません。
こうした万教帰一の教えの重要性は、現代において一段と増してきています。
中世のヨーロッパでは、異なる信仰の対立に起因(きいん)する宗教戦争への反省から、宗教の共存が認められるようになりました。また、大航海時代には、世界各地にさまざまな異文化が発見され、人びとの価値観・世界観は多様であることが認められました。そして今、モノや人やお金や情報が国境を越えて、すばやく大量に行き交うグローバル化の時代では、宗教の違う人と人との接点が増大する中で、改めて宗教の共存を認め、世界平和を実現する考え方が求められています。
谷口雅宣・生長の家総裁は、著書のなかで次のように述べています。
「生長の家は、様々な形に発達してきたいろいろの宗教の中に『共通点』を見出し、さらにそれらの共通点と『一つの真理』との関係を明らかにし、それらを多くの宗教が承認することができれば、宗教共存の道が開けると考えています(*2)」
このように、万教帰一の教えは、立憲主義が目指す宗教の共存の考えと一致し、共に、宗教対立を克服して世界平和を実現するために必要な考え方なのです。
*1 生長の家総裁・谷口雅宣監修『“人間・神の子”は立憲主義の基礎 ──なぜ安倍政治ではいけないのか?』25ページ、生長の家刊
*2 谷口雅宣著『生長の家ってどんな教え?──問答有用、生長の家講習会』63〜64ページ、生長の家刊