朝活は脳を活性化する
——朝の運動と瞑想のすすめ
起床直後の脳は、睡眠によって整理整頓されたまっさらな状態になっています。また、1日で最も集中力が高い時間帯は朝の6時から7時という研究データもあります。朝の時間を活用して体を動かしたり、瞑想をしたりして豊かな人生を築いていきませんか。
▪️朝の運動の効果
朝日を浴びると、セロトニンと呼ばれる脳内物質が分泌され、「やる気」が生まれます。起床後、朝日を浴びながら15〜30分の散歩や軽いジョギングは、セロトニンの活性化に効果があるとされています。また、ウォーキングやジョギングには、情報処理や判断を司 り、脳の司令塔と言われる「前頭前野」を鍛え、仕事や勉強においても集中力や判断力を高める効果があります。
朝にウォーキングやジョギングを行なうことで、脳内にリラックス効果のあるα波が増加し、脳の視床下部や脳下垂体からベータエンドルフィンという物質が分泌され、心身ともに幸せな状態が高まります。
▪️朝の瞑想の効果
グーグルやヤフー、アップルなど世界の有名企業の社内研修に取り入れられるなど、瞑想に注目が集まっています。生長の家には神想観という独得の座禅的瞑想法があります。神想観は無念無想になるのではなく、神の心に自分の心の波長を合わせて神との一体感を深め、完全円満な実相(*)を想い描くものです。
神想観を一日のスタートである朝に実修し、「神の無限の生かす力が、わが内に流れ入る。神の生命に満たされ、生かされている、毎日これからあらゆる点で一層良くなる」といった祈りの言葉を唱えると、まだ意識がしっかりと目覚めていないため、それが潜在意識に強く印象づけられ、全身に力がみなぎり、歓びが湧いてきます。
神想観については、『“新しい文明”を築こう 中巻 実践篇「運動の具体的展開」』(谷口雅宣監修、生長の家刊)をご参照下さい。
* 神によって創られたままの完全円満なすがた
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参考図書
『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(樺沢紫苑著、大和書房)
『脳を最高に活かせる人の朝時間』(茂木健一郎著、河出文庫)
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特集ルポ
自然の息吹を感じながら、早朝の自転車通勤を続ける
小林悦子さん(57歳) 福島県須賀川市
取材/多田茂樹 撮影/堀 隆弘
早朝の自転車通勤
小林悦子さんは、自宅から3キロほど離れた特別養護老人ホームに自転車で通勤している。早番の日は、朝6時30分から仕事が始まるので、6時には家を出る。
現在の職場には3年前から勤めていて、初めの頃は車で通勤していた。だが、職場の駐輪場は駐車場と違って職員出入り口に近いことや、車だと渋滞のため青信号でもなかなか進めない交差点があるが、自転車なら問題なく渡れるし、信号のない細い道をすいすい走れる。そんなこともあって、自転車通勤に切り替えた。
「自転車通勤を始めた頃は2カ所ある坂道を登るのが大変で、慣れるまで時間がかかりました。でも、自分なりのルールがあって、どんな坂道でも立ち漕ぎはしないことにしているんです。この2つの坂道も立ち漕ぎなしで、『ありがとうございます』と心の中で唱えながらゆっくり登っています」
その自転車は次女が高校生の頃、通学に使っていたもので、電動アシストは付いておらず、上り坂は負担になる。だが、スポーツジムに通ったりすればお金がかかるが、自転車通勤をすれば通勤手当をいただきながら体が鍛えられるので逆にありがたいと話す。
片道15分ほどの通勤路には桜の木があり、春の早朝、桜の花吹雪の中を通り抜けるのは最高の気分だという。
「通勤路の両側には柿や梅の木もたくさん植わっていて、桃や梨、りんごなどの果樹園や畑も広がっています。こうした景色を眺めながら自転車を漕いでいると、季節の移り変わりを直に感じられるんです。車通勤では得られない喜びです」
以前、郡山市にある生長の家福島県教化部(*1)に勤めていた時は、車で45分ほどかけて通勤していた。渋滞に巻き込まれると、「早く、早く!」と焦る気持ちで運転し、イライラした。
「でも、今は自転車でマイペースで走れるので、心にゆとりができました」
小雨の日はウインドブレーカーに帽子をかぶって自転車を漕ぎ、時には歩いて行くこともある。雨脚が強いときは、出勤する夫の教八(のりはち)さんや次男に車で送ってもらう。冬に雪が降ったり、道路が凍結したりした日は、安全を考えて自転車通勤は控えている。
小林さんの住む須賀川市に限らず、地方都市では車が必需品で、小林さんも以前はどこへ行くにも車を使っていた。だが、最近では街中に出かける時も自転車に乗るようになった。昨年、生長の家のプロジェクト型組織の一つSNI自転車部のメンバーとなり、生活の中で積極的に自転車を活用しようという思いが膨らんでいる。
「自転車は二酸化炭素を排出せず、地球に環境負荷をかけないことが嬉しいですね。ペダルを漕ぎながら自然を肌で感じることで、自然の恵みのありがたさも感じられ、心に豊かさをもたらしてくれるんですよ」
長男の出産を通して信仰が深まる
小林さんは、生長の家の信徒だった父親の影響で小学生の頃から生命学園(*2)に通い、「人間は神の子で、無限力がある」と教わってきた。
高校卒業後は地元のバス会社に就職し、バスガイドとして働き始めた。しかし、間もなく母親が病に倒れて急死し、小林さんはショックで仕事を辞めてしまった。その後、福島県教化部に勤め、教八さんと結婚して二男二女を授かった。
「一番上は女の子で、『おぎゃあ』という声を聞いた途端に人生がバラ色になったように感じました。ところが2人目の男の子の時は妊娠中毒症になり、糖尿病も併発してしまったんです」
医師からは「お腹の中で赤ちゃんが大きく育ちすぎて出産が大変だから、早めに産みましょう」と言われ、39週目で陣痛促進剤を打って出産した。
ところが、お腹の中でへその緒が首に絡まっていて、出産に時間がかかり、生まれた時には仮死状態だった。医師から「将来、障害が出るおそれがあるので、覚悟して下さい」と言われ、ショックを受けた。
だが、「神様が護って下さっているから大丈夫」と神様に全托し、長男の実相(*3)の完全さを祈り続けていると、長男は後遺症もなく元気に育ち、小中学生の時はサッカー部のキャプテンも務めた。中学卒業後は、宮城県の高専建築科に進み、現在は仙台市で工務店を経営している。
早朝神想観で始まる一日
小林さんは毎朝5時前に起き、教八さんとともに神想観を実修するのを日課にしている。神想観とは生長の家独得の座禅的瞑想法のことで、子どもたちが学校に通っていた頃は、家族全員で朝6時から行っていた。朝に神想観を実修することで心が整い、清々しい一日のスタートが切れるという。
その後、家の各所に掛けられている生長の家の日めくり『ひかりの言葉』(生長の家総裁・谷口雅宣監修、生長の家刊)をめくり、2人分の弁当を作る。
「『ひかりの言葉』は毎年新しいものが発売されるんですが、古いものももったいなくて捨てられず、家の中にたくさん掛けてあるんです。それらを全部一枚ずつめくるので、少し時間が掛かりますが、書かれている真理の言葉を読むと気持ちが改まるんですよ」
早起きが習慣になっているため、勤めに出かけるまでの時間には余裕がある。気候の良い時期は、朝の爽やかな空気を胸一杯に吸いながら、自宅の庭で育っている野菜や、庭のぶどうの木とポポーの木に水をやったり、野菜を収穫するのが楽しみだという。
小林さんの充実した毎日の秘訣は、早朝の神想観で心を整え、環境に配慮しながら朝の時間を活用することにあるようだ。
*1 生長の家の布教・伝道の拠点
*2 幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場
*3 神によって創られたままの完全円満なすがた