A 日本国憲法が保障する人権は、6つに分類できます。
日本国憲法に規定された人権には、様々な種類があります。一つひとつの条文に当たることも大切ですが、最初に共通のカテゴリーに分類すると、人権が全体として理解しやすくなります。
人権を分類して理解する
人権の分類方法は、学説によって違いがあるものの、おおよそ、次の6つに分類することが可能です。
①包括的基本権——憲法13条が規定する「幸福追求権」のこと。日本国憲法の基本原理である「個人の尊重」に基づき、14条以下の個別的な人権の源となる権利です。
②法の下の平等——憲法14条が規定する「平等原則」、および法的に平等に扱われる権利としての「平等権」のこと。①の「包括的基本権」と並び、日本国憲法の中核をなす権利で、24条には、家庭生活における「両性の本質的平等」が規定されています。
③自由権——個人に対する国家の介入を排除することによって保障される権利で、「国家からの自由」とも呼ばれています。自由権はさらに、「精神活動の自由」「経済活動の自由」「人身の自由」の3つに分けられ、「表現の自由」(21条)、「職業選択の自由」(22条)などがあります。
④社会権——国家の積極的な配慮によって保障される権利で、「国家による自由」とも呼ばれています。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」(25条)、「教育を受ける権利」(26条)、「勤労の権利」(27条)、「労働基本権」(28条)があります。
⑤参政権——国民が直接、あるいは代表者を通じて間接的に、国の政治に参加する権利で、「国家への自由」とも呼ばれています。「選挙権」(15条)、「憲法改正国民投票権」(96条)などがあります。
⑥国務請求権(受益権)——国民が国家に対して一定の行為を請求する権利で、「人権を確保するための権利」とも呼ばれています。「裁判を受ける権利」(32条)、「国家賠償請求権」(17条)などがあります。