人間関係に悩んでいた大学生の彩花さんが、ある日、知り合いの生長の家の講師に、自分の悩みを相談したところ、『日時計24』を送ってもらった。それをきっかけに、２人の間でチャットがはじまった……。生長の家の教えを学んでいる彩花さんですが、何か疑問に思っていることがあるようです。
生長の家の集まりなどに出かけると、皆さんが合掌して、「ありがとうございます」って言ってくれるんですけど、最初はなんでそう言われるのかよく分からなくって、びっくりしたんです。
確かに、知らない人からいきなり「ありがとうございます」なんて言われたら、驚いてしまうかもしれないよね。生長の家では、人間は神の子であり、相手の現象的な姿に捉われることなく、どんな人のなかにも神の生命が宿っていると考えて、相手の実相＊1を信じ、すべての人を礼拝して、合掌することを大切にしているんだよ。
「別になにもしてないのに、なんでお礼を言われるんだろう」って最初は思いました（笑）。でも、お互いを神の子として礼拝し合うって、すごくいいことだなって思います。素朴な疑問なんですが、そもそも拝んだり、お祈りをしたりする時に、どうして合掌をするんですか?
誰しも心が神様の方を向いて、お祈りをしたいというような敬虔な気持ちになったときには、自然と手を合わせると思うんだよ。誰に教わったのでもなく、不思議とそうするのは、たぶん人間の本能のようなものなんじゃないかな。それに、手や指、手のひらというのは、昔から霊能の中枢とも言われているんだ。
えっ、それってどういうことですか?
僕たちは、お腹が痛いときにはお腹を手でさすったりするし、頭が痛い時には自然と頭に手を当てているよね。怪我をしたときなどに、「手当てする」とよく言ったりするけれど、キリストが病人に手を触れてその病気を癒やしたように、手には本来そういう力があるとも言われているよね。
生長の家では、神想観＊2の時にも合掌をするけれど、手を合わせて、それをもう一つの霊能の中枢である額（眉間）に近づけることによって、神様と繋がるためのアンテナのような役割を果たすんだ。
合掌にそんな意義があるなんて、知りませんでした。私も合掌をして、心を込めて「ありがとうございます」って言いたいと思います。
（次号に続く）
＊1 神によって創られたままの完全円満なすがた
＊2 生長の家独得の座禅的瞑想法
