人間関係に悩んでいた大学生の彩花さんが、ある日、知り合いの生長の家の講師に、自分の悩みを相談したところ、『日時計24』を送ってもらった。それをきっかけに、二人の間でチャットがはじまった……。彩花さんの大学の友人である茜さんの弟で、生長の家の教えを学んでいる洋介君ですが、何か疑問があるようです。

この前、生長の家の集まりで、「人は自分の魂を向上させるために、この世界に生まれてきた」というお話を聞いたんですが、ちょっと腑に落ちないことがあって。
何か悪いことがあっても、それは自分を成長させてくれるものだから、感謝することが大切だって言われたんですが、もしそういう悪いことによって魂が向上していくのだとしたら、この世界から不幸な出来事って、なくならないんじゃないかなって思うんです。
確かに、魂を向上させるために悪い出来事が起こっているのだとしたら、それらはなくならないものだと思ってしまうかもしれないね。でも、一番大切なのは、そもそも神様はそうした悪いものは一切創られていないということを、まず知ることなんだ。
病気や災難、不調和といったものは、神様が創られた本当に在る世界には存在しないのだという自覚を深めて、いつも、神様の祝福の流れのなかにいるようにするということだね。
「神様の祝福の流れ」って、どういうことですか?
神様の創られた実相世界、つまり完全円満ですべてが調和した善一元の世界に心を向けるということだよ。何か悪いことがあっても、それに捉われるのではなく、嫌な出来事を心から放つようにすることが必要なんだよね。
不幸や病気、災難といったものは、心の迷いが仮につくり出しているものであって本来ないものだということ、そして、人間は本来神の子であり、自分を害するものなど何もないと自覚し、心のなかで自分が掴んでいた「悪がある」という迷いの想念を拭い去っていくことで、迷いの心の影である悪い出来事も、消えていってしまうんだよね。
それが、神様の祝福の流れのなかに身を置くということなんだ。
僕って何か嫌なことがあると、ずっと引きずってしまうタイプなんですよね……。
悪い出来事に心がいつまでも引っかかってしまうというのは、きっと多くの人がそうなんじゃないかな。心から「放とう、放とう」とすると、かえってそれに意識が向いてしまって、いつまでも気になってしまうものだよね。
だから、そういうときは、心から放とうとする意識すらも解き放って、神様にすべてをお任せする気持ちで、人の喜ぶ行いを心がけたりしてみたらどうかな。神様はどんな時でも、愛深く僕たちを見守って下さっているんだからね。

(次号に続く)

『生長の家ってどんな教え? 問答有用、生長の家講習会』(生長の家総裁・谷口雅宣著、生長の家刊)著書の生長の家講習会での講和と、参加者との質疑応答の記録を通し、生長の家の教えに関する様々な疑問について、分かりやすく解き明かされています。すでに生長の家の教えを学ばれている方にとっても、多くの新しい気づきや発見があるはずです。

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