1年ほど前から無気力な状態が続いていて、悩んでいます。特に何かきっかけがあった訳ではないのですが、学校から帰っても何もやる気が起きず、休日は一日中部屋にいてスマホを見たりして無為に過ごしています。周囲の友人たちが将来のために資格の勉強をしたりしているのを見ると、怠惰な自分がひどく情けなく感じてしまい、泣いてしまうこともあります。どうしたらいいでしょうか?(20歳、女性)

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 自分の感情を大切にし、
感謝の思いを表現してみましょう

 ご自分の状況を客観的に見ておられることに感心いたしました。現在の脳科学では、人間の思考や感情などを司る前頭葉の発達は、思春期とされる20代後半まで続くと言われています。その間に心は大きく揺れ動きながら、悩みを抱えることもありますが、自分を見つめ人間は成長していくのです。ほかの幾多の若い世代の方も、きっとあなたと同じように悩まれているのではないでしょうか。

感情を大切にする

 
 人間には「喜怒哀楽」の感情がありますが、家族や周囲の人たちから、「『喜び』や『楽しさ』の感情を表してほしい」といった言葉にならない欲求を感じることもあるかもしれません。けれども、人間にとって「怒り」も「哀しさ」も大切な感情なのです。

 小さいときに、「泣く」ことで自分の欲求を大人に分かってもらえた人は、自分の感情を大切に育ててもらえた人です。しかし、「泣く」ことを我慢して「よい子」であることを求められてきた人は、自分が感情を抑えていたことにいずれ気が付くときがきます。その過程でときには立ち止まり、一人で思い切って泣き、自分の感情を放出することも大切です。涙は心を浄化してくれますし、スッキリした後に明るい思考が出ることもあると思います。

 もしかしたらあなたは、今まで頑張って感情を抑え込み、ご両親に喜ばれようと努力されてきたのではないでしょうか。なぜなら、ご両親に心配をかけまいとするあなたの想いがご質問から伝わってくるからです。でもきっと、あなたがこの世界に存在しているというだけで、ご両親は幸せを感じていらっしゃると思います。

新たな人生に踏み出そう

 
 この世界に自分を生み出してくれたご両親に「ありがとう」と感謝し、自分の感情を大切にしながら、日々を過ごすようにしていきましょう。そうすることで、新たな人生が開けてきます。『日時計日記を活用してみるのも良いかもしれません。感謝を言葉に出すことにためらいがあるときに、日記に「ありがとう」と書いてみるのです。
* 太陽の輝く時刻を記録する日時計と同じように、毎日の明るい出来事や希望や感謝の言葉を書き留める日記帳。生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊

 また、一つのヒントとして、自然のあるところを散歩してはいかがでしょうか。ゆっくり歩いて木や鳥を見たり、風を感じたりしながら五感で受け取れるものに心を向けてみましょう。そうした小さな喜びを体験するところから、生きる喜びも生まれてきます。

 20歳であるあなたの人生は希望に溢れています。どうぞゆっくりと焦らずに、自分自身の声に耳を傾けてみてください。

回答者
久都間 育代(くつま・いくよ)
生長の家地方講師
認定心理士、保育士として、こどもの感情を大事にしている。4人のこどもたちは独立して、家族3人と猫3匹で暮らしている。

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