Q 以前から、身の回りの整理整頓が苦手で悩んでいます。一人暮らしをしているのですが、部屋には物が散乱していて、親や友人などからも呆れられています。職場の机も片付けられず、先輩に注意されたこともあります。「このままじゃいけない。整理しよう」とは思うのですが、結局いつもそのままで行動に移すことができません。この先絶対に使わないと思うものでも、捨てるに捨てられず、どんどん物が溜まっていく一方です。どうしたらいいでしょうか?(24歳、男性)
A 一度に全部を片付けようとしないことが大切です
今日こそは整理整頓しようと思いながら、長い年月を苦しみ、ご自身を責めてこられて辛かったですね。しかし、あなたがそう悩まれてきたのは、それが自分の本質だと思いたくなかったからではないでしょうか。
生長の家では、「人は皆すでに神と一体であり、無限の価値を持つ存在である」と説いています。まずは「今度こそ片付けよう」と思う自分は素晴らしいと、自分のことを認めてあげましょう。
焦らずに、少しずつ
私も以前、忙しさにかまけて片付けができないことがあり、整理整頓の必要性を感じました。大切なことは、焦らないことです。部屋全部を一度に片付けるのではなく、小さな場所から始めてみましょう。何年か前に片付けセミナーに参加する機会があり、整理をする際のポイントとして、次の2つがあると学びました。
①片付けをする時は、「奥まで見えやすい」、「出しやすい」、「戻しやすい」の仕組みを作る。
②捨てるものを探すのではなく、必要なものを探すことから始める。
過去の思い出がつまった物を手に取ると、安心と幸せを感じます。長年大切に使ってきた物を整理する際には、リサイクルやアップサイクル*1に出し、感謝の思いを込めて手放してみてはいかがでしょうか。『日々の祈り──神・自然・人間の大調和を祈る』(生長の家総裁・谷口雅宣著、生長の家刊)の中には、次のように書かれています。
*1 廃棄されるものから使えるものを取り出して、原料として再利用するリサイクルとは違い、元の製品の素材をそのまま活かして再利用すること
「その生活習慣は『点滴石を穿つ』ように我らの人生の形を決定するのである。人生の成功も失敗も、だから我らがよい生活習慣をもつかもたないかで大きく決まるのである」(216ページ)
一つの場所が綺麗になると、心の余裕が生まれ、小物や絵を飾ってみようと思ったり、お気に入りの場所が広がったりして片付けが楽しくなり、次第に気持ちの変化にも気づくでしょう。
感性を育む
今の私たちは、AI*2をはじめとした科学技術と切り離せない社会に身を置いていて、特にスマホは欠かすことのできない存在です。そうした便利さを求めるなかで、人間が楽をする前提で技術が開発され、スイッチ一つで生活することができるようになりました。しかし一方で、それに慣れることによって人間本来の感性を身につける機会を失い、「綺麗」「汚い」の判断さえ難しくなってしまうと言われています。
*2 Artificial Intelligence(人工知能)の略
どんなに科学技術が発達しても、大切なのは心です。生活の中で、自らの手で整理整頓を行い、綺麗になったという心地良さや喜びを感じ、感性を育んでいきましょう。その経験はきっとあなたの宝物になり、安心して明るく前に進んでいくことができるようになるでしょう。
川島君枝(かわしま・きみえ)
生長の家地方講師
岐阜市在住。地元の幼稚園、小学校へ読み聞かせに行くのを楽しみにしている。
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