Q 以前から漠然と思っていることですが、この世界って不平等ではないでしょうか?
人や社会のために貢献した人が病気になったり、早く亡くなったりしている一方で、悪いことをしている人たちが幅をきかせているのを見たりすると、やるせない気持ちになります。そんな世界の現状を見ていると、未来に希望を見出せないのですが……。(23歳、男性)
A 世の中の明るい面に意識を向けるようにしてみましょう
生きる意義とは
あなたが自分のことだけではなく、世界の現状に目を向けている姿勢は素晴らしいと思います。未来に希望を見出せないとのことですが、決して悲観する必要はありません。
そのことについて、次の2つの視点からお答えしたいと思います。
①人生の意義は、自己の魂を向上させることである。
②不平等は社会全体としては、改善されつつある。
まずは、①についてです。私も20代半ばの頃、未来に希望を持てなかった時期がありました。自分に自信が持てず、仕事にも行けなくなり、1年ほど引きこもっていました。生きる意義が見出せず、無気力な日々を過ごしていたのです。
そんな自分を変えてくれたのが生長の家の教えでした。生長の家では、肉体が死んでも生命は永遠に生き通しであり、人間は何度も生まれ変わりながら、無限に成長し続けると説いており、そこに生きる意義を見出すことができたのです。
また、この世界には「原因結果の法則」があることも、生長の家では教えています。悪いことをしたら、たとえ今生で罪に問われなかったとしても、生まれ変わりの人生において罪を償うことになります。だから、悪人が幅をきかせてそのまま得をするようにはなっていないのです。
世界は少しずつ良くなっている
次に、②についてです。あなたの目には、この世界は不平等だと映っているようですが、それだけが真実でしょうか? 『ファクトフルネス』*という本によると、多くの人が次のように思い込んでいるそうです。
* ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著、上杉周作、関美和訳、日経BP刊
「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている」
著者はこれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいて、私も漠然とそう思っていました。
しかし、実際のデータによると、世界は少しずつ良い方向に向かっているそうです。例えば世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年で半分になっています。
では、なぜそう思い込んでしまうのでしょうか。先述の本の著者によると、その原因は私たちの脳が持つ本能にあるといいます。危険から逃れるための本能や、悪い予兆を聞き逃すまいとする「ドラマチックな物語を求める本能」などが、世界についての間違った見方を生んでしまっているそうです。
このように、人間は脳の機能や、偏った報道などで、物事を悪い方にとらえてしまう傾向があります。それを理解した上で、世の中の情報と正しく向き合う必要があります。
悪いニュースが報道される一方で、報道されない良いニュースもたくさん存在しています。生長の家では、人や物事の明るい面を見る「日時計主義」の生活をお勧めしています。世の中の明るい面に注目することで、明るく希望に満ちた生活をされることをお祈りします。
回答者
阿仁屋雄一(あにや・ゆういち)
生長の家地方講師
生長の家国際本部勤務。1977年生まれ、青森県出身。妻と息子(中3)、母の4人家族。職場の机の一輪挿しに、季節の野花を生けている。
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