ウクライナや中東などで起こっていることを見聞きするにつけ、世界の平和のために自分に何ができるのか? そんな思いを持つ人は少なくないでしょう。しかし、問題が大きすぎて、自分の無力さばかりを感じてしまうかもしれません。私たちは、本当に自分の生活する場で世界の平和のためにできることはないのでしょうか?
資源・環境問題と世界平和との関係
例えば、戦争の影響とみられるエネルギー価格の高騰には、先進諸国の人々の、エネルギーは無限にあるものという錯覚した生活習慣が根本に隠れています。
石油や天然ガス、ウランなどの地下資源に頼り切った生活は、結果として資源の奪い合いを引き起こしますから、それを見直すことは、世界の平和に繋がる行動と言えます。また、エネルギー以外にも、使い捨て商品やペットボトル飲料の購入を減らすのも同様の意味をもっていて、環境に配慮した生活全般が実は世界平和と関係があります。
つまり、資源・環境問題の解決につながる行動と、世界の平和のためにできる行動は、同じだということです。しかも、一つ一つの行動は決して大袈裟なことではなく、少し意識すれば誰にでも実行可能で、きっと「もうやってるよ」という人も沢山いるでしょう。
思いやりの心で
さて、こうした行動の奥にある心も大切にしたいものです。日頃から自分自身を大切にして丁寧に生きること、家族や友人はもちろん、道ですれ違う人にも思いやりを持った行動を一人ひとりが心がけなければ、世界の平和を呪文のように唱えても実現されません。
私たち一人ひとりの力は微力ではあっても無力ではありません。世界を平和にしようという信念をもった人の小さな行動の積み重ねは、必ず世界を平和へと変えていきます。
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大平收一(おおだいら・しゅういち)
生長の家本部講師
写真撮影、サイクリング、サッカー観戦、ときどき菜園や庭いじりが趣味。購入して3年経つ植木のレモンになった実を写真に収めるのが今年の目標。